髄膜腫摘出手術レポ

髄膜腫手術

◆大学病院の脳神経外科の外来診療を受けてから段階的に2度の入院となり、最初は造影剤投与のカテーテル検査入院 、そして1週間ほど後に腫瘍摘出の本番入院をしました。

◆左足に麻痺が出て足を引きずって歩きかつ右足に負担もかかってたのか腰痛も悪化し歩行が際どくなってきていましたので、先生から治療手段の選択は手術しかなく、急いだほうがいいと言われコロナ禍でタイトなスケジュールの中でしたが予定をとってもらえ、外来での診療から極めてスピーディに入院~手術処置が進みました。術後経過は順調で手足の動きもスムーズで酷かった腰痛も嘘のように去りびっくりです。

歩行器

入院直後は病室からトイレ・シャワー室などの行き来の歩行もだいぶ左足の麻痺が進んできていてつま先をひっかけこけそうになるので格好は気にせず自分専用に歩行器を借りてしまいました、手術前に転んで頭打つわけにはいけませんからね。

◆手術説明の際、手術は頭蓋骨を切って蓋を開け、髄膜腫摘出したらまた蓋を戻して止める・・・と説明聞いたらゾッとする手術なんですがためらいなく夫婦同意で即断お願いしますと言いました(笑)

◆なにせ頭の中に7cm台のデキモノがあるって聞くだけでとってもらうしかないですから、なるようにしかなりません、手段は摘出手術のみです。なお、髄膜腫は良性の腫瘍でまず命に問題はないと言われ、ちょっと安堵しました。

入院してからの検査及び手術

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髄膜腫の検査と診断 頭部MRI 脳血管撮影

◆MRI検査では腫瘍ができた場所とその大きさを診断、脳血管撮影は腫瘍の栄養血管や発生部位を予測するのに重要な検査です。


◆私は1度目の検査入院で造影剤を使った 頭部MRI・脳血管撮影 がされました。 足の付根の股の部分の動脈から脳の幹部へカテーテルを入れ造影剤を使っての細部撮影です。 腫瘍の場所、大きさ血管の状況等細部がわかり腫瘍栄養血管塞栓術 をおこなうデータとして重要です。

患者としてはこの検査はちょっとしんどい!!

◆足の付根の動脈からボールペンの心ほどのカテーテルの管を部分麻酔をして入れる為、検査前の準備で 足の付根付近は自分でカミソリを使いきれいに剃髪が必要、尿管も入れられ、紙オムツも必要です、点滴のバイパスも事前につけられます。

◆検査が終わったら カテーテルの管 を抜いた部分の動脈の場所が完全に止血されるまでかなり強力なテープで止められていて4時間はベッドの上で足をのばしたまま絶対動くことを禁じられます、でないと血が吹き出すことがあると脅されます、じっと動かず耐えましたが、つらいです。・・・動脈の箇所が固まり安全になって尿管・点滴・紙オムツが外れるとすっきりですがそれまで辛い我慢です!

◆検査中造影剤を頭に注入されると頭部が一瞬熱くなります、特に検査中は痛みは感じませんが部分麻酔で意識ははっきりしています、ただ体は全く動かすことができず、2時間ほどの検査の間、身動きできない何とも言えない辛さがとても苦痛でした。

カテーテルによる腫瘍栄養血管塞栓術

腫瘍栄養血管塞栓術

◆私の場合は腫瘍が7cm台と大きく、脳や神経組織に対する圧迫が強いと判断され、手術時の多量の出血を避ける為、腫瘍摘出手術前にカテーテルによる腫瘍栄養血管塞栓術を行うということになりました。

◆カテーテル検査(血管造影)で髄膜腫は一般に非常に血管が多い腫瘍であるため,血管造影では腫瘍に向かってたくさんの血管が入り込むところが見つかります、腫瘍の栄養は血管なんです、MRIでの説明画像では脳の血管と交差していたりかなり複雑に絡んでいる感じがしました。

◆手術の前(通常1-3日前、私は3日前でした)に腫瘍を栄養する血管だけを,非常に細かい特殊な粒子(塞栓物質)で詰めてしまい,腫瘍を兵糧攻めにしてから手術に臨無という手法で、そうすることで手術中の出血量を減らすことができ,それが手術の安全性も向上させるという説明でした。

◆もし腫瘍を栄養する血管が,脳や神経も同時に栄養している場合には,この兵糧攻めが使えないこともあるようです。自分の中に別の生き物がいるような変な感じをイメージしました(笑)

開頭頭蓋内腫瘍摘出手術

開頭頭蓋内腫瘍摘出手術

◆手術リスクを減じるために、カテーテルによる腫瘍栄養血管塞栓術が行われたあと2日後に開頭頭蓋内腫瘍摘出手術が行われました。

◆私の場合の手術時間は7時間半ほど、やはり大きくて血管の絡まり髄膜との接着で取りにくいところがあったりで時間かかったようです。

手術の進行

手術進行
  • 入院病棟から手術室までそのままベッドで移動し、手術室で手術台に先生たちの手で移し替えさせられました。
  • 点滴による麻酔導入により割とすぐに意識のない状態になりました。
  • この後、気管内挿管により行い、全身麻酔の状態となり、頭部の固定、手術部位の消毒をおこなって手術開始されました。
  • 頭皮を切開し開頭した後、脳腫瘍(髄膜腫)を摘出する手術が進みます・・・腫瘍摘出作業は専門的な作業で脳を傷つけないよう細心の注意で腫瘍摘出が行われます。
  • 摘出終了したら摘出部の状態を確認し、また充分に止血されている事を確認して切開した硬膜を縫合し、頭蓋骨を修復し、頭皮下の筋肉、皮下組織、頭皮をホッチキスで縫合され手術が終了です。
  • 手術終了後しばらくすると麻酔から覚めます。そのままベットでナースステーション横の回復室に移動させられるですが手術室を出たあたりで名前を呼ばれ冷めたと思います、ただ廊下のカーブとか段差でベッドが揺れむかつきが発生し戻してしまったので先生たち大慌て、特に手術の影響ではなかったようです。回復室で一夜過ごしましたが、頭は動かないようにきつめに固定されていて一晩は頭は動かせない状態です、尿管、点滴も翌日までは外れません。翌日お昼頃からベットで起き上がることができ、軽食ぐらいは食べれました。お昼からは尿管が外され一般病棟に戻れ夕食を食べることができますが抗生剤の点滴は翌日昼頃まで続きました。
  • 夕方やっと一般病室に戻れましたが点滴は夜までつながってました。

術後の状況

頭痛

◆傷口の痛みはさほどないですが頭の芯からの痛みが結構続きます。

◆頭痛薬(ロキソプロフェン)をほぼ1から2錠、1週間ほど飲みました、頭痛は毎日波があり時間によって変わりますが、日中はなるべく我慢し夕食後服用し夜寝れるようにしていました。

顔面の腫れ

◆手術後回復室に一泊しその後一般病室に戻った翌日の朝、右の目の周りが腫れていて目が開きづらくなりました、看護婦さんに言うと一般的に多いのだとか、たぶん脳の中にある髄液などが下りてきていてそれが目の付近の腫れになっているので、次第に皮膚・静脈等に吸収されてもとに戻るらしい。そういうと夜寝返りしたときに頭の中でジュルジュルと音がして気味悪かったのですがこの液が移動してたのかなと思います。

◆そのまた翌日は今度はだんだん液が下りてきたのか頬っぺた付近が腫れてきました、これも看護婦さんに言ったら、次第に引いてきますよと、確かに2~3日したら腫れは引き一安心でした。

傷口の状況

◆手術直後はホッチキス止めのうえに保護シートがついていて傷口をカバーされています。私の場合は3日目に看護師さんが洗面所の温水シャワーで保護シートをふやかしてとってくれました

◆ホッチキス止めの様子がもろ見えになってちょっとびっくりです。・・・一週間ほどで皮膚も程よくくっついてホッチキスを抜糸されました。

頭の傷口はステイプラー(ホッチキス)で止められています

  • ホッチキスで止められているというとびっくりなんですが、「ステイプラー」と呼ばれる医療用のホッチキスです。
  • ステイプラー(ホッチキス)は縫合が簡単で早く処置ができるということ、頭皮は結構弱いので普通の糸で縫うと無理に糸で縫合して皮膚が死んでしまい治りが悪くなることがよくあるということもあり皮膚へのダメージが少ないステイプラーの利用が主流になってきているということでした。
  • 抜糸作業もすごく早く簡単で私の傷口は40本ほどのホッチキスで止められていましたが傷が大きいために1本置きに間をあけて2日に分けて抜糸され、専用のホッチキス抜きで20本を3分ほどでスッスッといとも簡単に病室回診時に処置されました。抜かれたホッチキス1本もらいましたが金属なので事務用のものに似ています、素材は何でしょうね、事務用のものに似た金属製の感じなんですが。ホッチキス抜きでとっていくため針が山折りになっています。
  • ホッチキスで止められているというとびっくりなんですが、「ステイプラー」と呼ばれる医療用のホッチキスです。
  • ステイプラー(ホッチキス)は縫合が簡単で早く処置ができるということ、頭皮は結構弱いので普通の糸で縫うと無理に糸で縫合して皮膚が死んでしまい治りが悪くなることがよくあるということもあり皮膚へのダメージが少ないステイプラーの利用が主流になってきているということでした。
  • 抜糸作業もすごく早く簡単で私の傷口は40本ほどのホッチキスで止められていましたが傷が大きいために1本置きに間をあけて2日に分けて抜糸され、専用のホッチキス抜きで20本を3分ほどでスッスッといとも簡単に病室回診時に処置されました。抜かれたホッチキス1本もらいましたが金属なので事務用のものに似ています、素材は何でしょうね、事務用のものに似た金属製の感じなんですが。ホッチキス抜きでとっていくため針が山折りになっています。

◆抜かれたホッチキスの針の写真です。針抜きの器具は小さなハサミみたいな器具でホッチキスの天井部にハサミの先を差し込んで挟んで抜かれてるようでした。

病理検査の結果

◆手術が終わると病理検査結果が先生から伝えられ、その結果により今後の経過観察も決まります。検査の結果は摘出程度と再発との関係を示すSimpson gradeというものがあり

次の5段階に分けられています。

grade1腫瘍の全摘出と、硬膜付着部、異常な骨を除去したもの
grade 2腫瘍の全摘出に、硬膜の付着部を凝固したもの
grade 3腫瘍は全摘出を行うが、静脈洞や神経・脳に付着した部分をそのままにする
grade 4部分摘出
grade 5単に減圧を行ったもの

◆私は grade 1ということでした、ほんの少し骨を侵食してくっついている箇所があり無理にはがすと神経を傷つけるリスクが大きいということで残してあるということでしたが再発の危険性はほぼ0に近くまず大丈夫だろうという話を聞きひとまず安心しました。術後1か月の経過診断とその後は念のため3か月後に検査をして、その結果で1年ごとの検査になる模様です。